【飼う前に知って!】これからもペットにかかる費用は増加していく

ちむ
ちむ

リモートワークや在宅ワークなどの労働環境が変わって、ペットを迎える人が多いと聞いたけど。ペットにかかる費用ってどのくらいを考えておくといいのかな??

Dr.わたはる
Dr.わたはる

2020年の調査によると年間犬は35万円、猫は16万円と発表されているよ!

ちむ
ちむ

結構かかるんだ…なんか私が小さい頃飼っていた時は、そんなにペットにお金をかけているイメージなかったし…実際はそんなにお金をかけなくても大丈夫なんじゃないかな?

Dr.わたはる
Dr.わたはる

昔と今では、ペットにかける費用も少しずつ変わってきているよ。近年、年々ペットにかける費用は伸びているし、これからはそれ以上のお金が必要だと考えられているよ!

Dr.わたはる
Dr.わたはる

そしたら、今回は年間どれだけのお金が必要とされているのかデータを紐解いていこう!

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目次

1:年間の支出は、犬は35万円、猫は16万円!

ペット保険会社であるアニコム損害保険株式会社(以下、アニコム損保)の2021年3月31日の発表(アニコム損保の発表)によると、2020年のペットにかける年間支出は、犬で34万円、猫で16万円と発表されました。アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2021」のデータによると、犬猫ともに2020年にペットにかけた年間費用は2018年~2020年の3年間で最も高くなりました。新型コロナウイルスによる「おうち時間」の影響でペットを迎える世帯も多くなった2020年は、ペットにかける費用も高くなっているようです。

2:犬は医療面、猫は食事にお金をかけている!

犬猫の1年間にかけた費用の内訳は下図の通りです。

犬猫ともに1年間にかけた費用は、食事、医療、サービスが高くなっています。サービスに関しては、犬ではペット保険やペットホテル、ドッグランなどの施設、しつけ教室といったさまざまなサービスにお金をかけている一方で、猫はペット保険とペットホテルが大きな割合を占めています。ペット保険に入っていない猫に関しては、サービス面にかける年間の費用は低くなるでしょう。

また、ペット保険に関しての契約者が今回の調査対象となりますので、ペット保険に加入していない方はサービス面の年間費用が低くなる一方で、医療面での費用は高くなるでしょう。カカクコム・インシュアランスにおける申込者のデータによると、ペット保険の補償割合は70%が人気となっていますので、ペット保険に加入していない場合はおおよそ医療費が犬で+25000円ほど、猫で+16000円ほどとなるでしょう。(医療費の内訳の中で、ワクチンや健康診断等の予防費を含めない金額で100%負担の場合で計算しました。)

その他では、犬の美容面に関する費用は年々高くなっているようです。トリミングには、カットやシャンプーの他にもパックなどといったメニューも近年見受けられるようになってきました。また、人の美容でも人気の「マイクロバブル」「ナノバブル」「炭酸バブル」などといった、水質にもこだわりを見せるサロンも。。。今後も高くなりそうな分野ですね!

3:人よりもお金をかけているのは美容面が一位!

アニコム損保では、「飼い主が自身よりもペットに多くかけている費用(2020年)」といった面白いデータを調査されていました。

美容面に関しては、犬種によっては月に1回、皮膚の健康状態によっては2週間に1回のペースで通われる方もいらっしゃいます。猫の美容面にかける費用がほとんどないと考えると、こちらの飼い主自身よりもペットに多くかけている美容に関しては、犬の飼い主さんの回答と考えられます。その中でも圧倒的な一位ですね。

一方で、食費やサプリメントといった食事に関する費用、医療費に関する費用が続きます。医療費に関しては、公的な保険がペットではないことや、人と違ってペット自身の状態が把握できないことから「様子見」ができない。といったことからも人よりもかける費用となるのでしょう。

4:コロナ以降もペットにかける支出は増加!?

2020年のペットにかける費用の増加は、新型コロナウイルスによる影響と見られていますが、実際はコロナ後も増加していくと考えられています。一般社団法人ペットフード協会の調査(2020年全国犬猫飼育実態調査)によると、猫の飼育頭数が若干増加傾向であるものの、犬の飼育頭数は年々減少しています。一方で、東洋経済新報社が発行している「会社四季報業界地図2022年版」では、国内のペットフード・ペット用品の市場規模は2019年度に4461億円と前年度比5.5%増を占め、ペットショップや医療などを合わせた全体の市場規模は1.5兆円ともいわれているようです。また、株式会社矢野経済研究所の調べ(株式会社矢野経済研究所調べ)によると、2015年度から2019年度までペット関連の全体市場は年々増加しており、それ以降も拡大傾向を予測しています。

近年は、ペット関連もIoT商品が続々と開発されており、トイレでペットの健康状態がわかる商品や活動量を計測する首輪など様々な商品があります。これらの商品は、従来の商品と比べ値段高めな設定であったり、サブスクリプションを取り入れた商品が多く、従来の商品よりも多くの支出が考えられます。

さらに、家庭におけるペットの存在も「ペット」というカテゴリーから「うちの子」などといった「家族化」しています。これらのことからも、今後もペットにかけるお金は年々増えていくでしょう。

5:「医療費」を気にする飼い主さんは多い

私、わたはるも獣医師として動物病院に勤務しておりますので、様々な症例を日々診ています。「高ければ治る」とは言いませんが、動物病院では飼い主さんから話を聞く「問診」、体を実際に触ったり聴いたりする「触診や聴診、視診」に加え、血液検査やエコー検査などの「一般的検査」から症例によっては「特殊的な検査」して、「診断・治療」という段階へと行きます。

もちろん、疾患や状態によっては「とりあえず様子見」であったり、「とりあえずこの薬で反応を見て、段階的に診断していく」といった検査等を省く場合もありますが、ペットが見た目上「そこまでひどくない。」と飼い主さんが考えている場合でも、「緊急性」を除外するために高い検査等が必要なこともあります。

そんな動物病院で様々な疾患等と戦っている日々ですが、「医療費」を気にされる飼い主さんも多く、今では「ココまでの検査、診断、治療をすると〇〇円」、「悪化した場合は、〇〇円かかる可能性がありますよ。」と事前におおよその金額を提示することが多いです。そして、その提示された金額で、どこまでの検査や診断、治療を行っていくかを飼い主さんが判断することも少なくありません。私たち獣医師は、もちろん慈善活動としてではなく、治療などによる利益から給料をもらい生活しております。しかしながら「動物病院は、動物のためではなく飼い主都合で治療方針が変わってしまう」と思ってしまうこともあります。

ぜひ、今からペットの飼育を検討されている方、最近飼われた方、すでに飼われている方…ペットと共生されている全ての方は、家庭の「収入と支出」を今一度見直してみませんか?

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運営者

犬猫の往診専門動物病院を運営しながら、フリーランス獣医師としても診療にあたる。一方で、企業や事業のサポートやコラム作成等の事業も展開。時間的にも経済的にも自由に働く獣医師として活動中。

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